【ファン・フィクション】竜胆小説

【ファン・フィクション】竜胆小説

著作者:@fox456lll

※以下の要素を含みます
独自設定 独自解釈 

(もし書いた場合)プロローグ2以降は
オリ主 オリキャラ の要素も含みます

書いたぞ(締め切りギリギリ)
プロローグ2は二次創作キャンペーン終わった後でも、気が向いたら書くかも!

以下は本文!

本文

炎舞火山地域にはリュウの里が存在する。リュウ人族などの、竜や龍の要素を持つ亜人系から、人型で生活するリュウや、普通に見た目ドラゴンなリュウ等、様々な竜や龍に属するものが集うこの場所にはとある(自称)召喚師が住んでいる

 彼女の名前は竜胆。赤い髪に焦茶色の角、赤い尻尾には濃藍色の背鰭のような突起が二つ、そして先端には同じく濃藍色の毛が生えているのが特徴の竜人?の女性である

 何故疑問符が付くのか?それは、彼女が竜の里で、ある日突然発見された故にである。

 親が分からないので種族がわからない。
 誕生日がわからないので年齢がわからない。
 そんなわからない事だらけの謎の子供は、しかしながら竜胆と名付けられてリュウの里では可愛がられた。
 比較的に子供が出来やすいリュウの亜人達ですら、長命種故に子供はできにくい、リュウであれば尚更である。
 そしてリュウ達はおおよそ皆強大な存在であるが故に、細かい事はあまり気にしない性質であった。
 以上の要素により、由来がわからずとも子供であり、角と尻尾があったので恐らくはリュウ人族(形状的に恐らく竜人族)であろうと予想された竜胆は、リュウの里のみんなから愛されて育った。
 竜胆が里で発見された日付が9月20日であったので、ひとまずその日付を誕生日として定期的に祝われるくらいには愛されて育ったのである

 そんなみんなに愛されて天真爛漫に育った竜胆には、昔から、二つの力があった。
 一つは召喚能力である。
 召喚能力とは言っても、任意のものを召喚する能力ではなく、発動すると(恐らくは)ランダムで何かを召喚する能力である。
 基本的には、有機物無機物問わずなんでも召喚できる強力な能力であるこの力は、しかし何が出てくるかわからない能力でもあった。

 生き物が召喚される事は極稀であり、基本的には石ころや木の枝等のどこにでもあるものが召喚されるが、偶に宝石や謎の鉱石、服、武器、よくわからん道具、よくわからん本、極稀によくわからん生き物が召喚される。
 生き物が召喚された場合は、基本的に送還という元の場所に送り返す力で元の場所に戻している
 竜胆は召喚するのは好きだが、召喚したものをコレクションするのも結構好きであった。
 初めて召喚した石ころは今でも持っているし、基本的には召喚したものはもう一つの能力で保存、保持している

 もう一つの力とは、臍に物をしまう力である

 もう一度言うが、臍に物をしまう力である。

 竜胆は、お腹に召喚したものを押し当てると、それを臍の中に収納できる、収納中は時間経過等は無く、収納時の状態が保持される力である。
 物を取り出す時は、臍に手を突っ込むか、手を当てた状態から取り出せる
 この力も有機物無機物問わず自身が召喚したものなら収納ができる力である(やった事は無いが恐らくは召喚した生き物も)

 この二つの力があるが故に、周囲から竜胆は召喚士の才能があると言われ、本人も召喚士を自称している
 尚、一般的な召喚士が聞けば「これと一緒にしないでくれ!」と言う程度には別物であるが、本人は一般的な召喚士を知らないし、本人の周りも、一般の基準からは大きく外れた存在なので、この勘違いは未だ解かれていない。
 リュウ達は細かい事は気にしないのである。

 そんな彼女は今日も今日とて召喚に臨んでいた。

「雲一つない晴天!絶好の召喚日和ね!」

 彼女はそう言って元気いっぱいだが、天候と召喚の調子に特に相関関係は無い。
 曇りだろうが、火山が噴火していようが、彼女がそう思えば召喚日和である

 "今日はなんだか特別な日になる気がする!"

 天候と召喚に関係は無いが、竜胆の感覚が"何か"を感じ取っている時は、竜胆にとって印象に残る召喚になる場合が多い
 例えば、初めて生き物を召喚した日、なにか凄そうな本を召喚した日、絶体絶命の危機にあった知り合いを召喚して結果的に命を救った日、等々。
 今日も、そんな日であった。

 早速意識を集中させて力を使う、竜胆は召喚時に魔法陣やアイテムのようなものは使わない、使った事が無いし、召喚に失敗した事も無い。
 意識を集中して、腹に力を込めて、ただ一言

 「召喚!」

 これだけである。

 「ん!?」

 その瞬間、今までに無い感覚で能力が行使された
 かつて無いほどに曖昧で、巨大で、つかみどころのない感覚。
 それになんかに弾かれている気がする、だけど、決してこれを逃してはいけない気がしたのだ。
 一生に一度の機会、それが今であると本能が告げた。

 「すっごい!なんかすっごくすっごいのが来るかも!」

 今まで竜胆は、こんなにも召喚時に難儀した事はなかった

 "もしかしたら失敗しちゃうかも"

 そんな事、初めて考えた
 でも

 "こんな気持ち、初めて‼︎"

 初体験の高揚が、失敗の恐怖を上回った!
 みんなに愛されて育った竜胆は、自己肯定感の強い竜人であった、失敗には強いのである

 意識をどんどんと深く集中していく、かつて無いほどに深く
 集中を続ける竜胆は気づいていないが、竜胆の体から滲み出るようにして、周囲にはなんらかの強い力が放たれていた、それによって周囲の空間が歪み始めている、これも初めての現象である。
 ここが里から少し外れた森の中でなければとても目立っていただろう

 「つかまえたっ!」

 成功を確信し、掴んだそれを強く引き寄せた!

 「やったーっ!」

 次の瞬間である

 「え"っ、なになにナニナニなにこれーっ!?」

 強い衝撃と共に、周囲の空間の歪みが限界に達し、黒い空間の歪曲と共に、竜胆の姿はそこから消えていた

 後に残ったのは、多少荒れた周囲の木々と、削り取られたように消失した一部の地面と植物だけであった

 竜の里が、里の愛娘の消失に気付くのは、しばらく後の話である。

つづく

これからの続きが楽しみです!

竜胆の設定など興味がありましたら、こちらをご確認ください。

 

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