【人狼の汁】 温感ローション
それは、ほんのささやかな触れ合いから始まった。
人狼の手が、あなたの背骨をなぞるように、ゆっくりと滑り降りていく。
その唇には、どこかいたずらめいた笑みが浮かんでいた。
指先には、きらりと光る湿り気――
とろりとした透明な液体が滴り、あなたの太ももの内側を伝って流れ落ちていった。「心配しなくていいよ、ん……」と、彼は優しく囁く。
「力を抜いて。気持ちよくなるから……本当に、すごく……うん……」
最初に感じたのは、ひんやりとした感覚。
それはまるで、燃え上がる前の炎が生む、一瞬の静寂のようだった。けれど、ひと押しのたびに、ゆっくりとすれ合うたびに、
その熱は確かに、少しずつ、あなたの奥底に広がっていく。
まるで――炎にキスされているような感覚。
熱く、飢えた何かに舐められているような、圧倒的な熱。
それは背筋を這い上がり、首筋へと達し、
やがて全身をじわじわと焦がすように包み込んでいった。
あなたは思わず身を震わせ、後ずさる。
けれど彼の手は、すでにあなたの腰をしっかりと捉えていた。
「どこへ行こうとしてるの?」
「まだ始まったばかりだよ……もっと感じて……ああ、そう、それ……」
身体の奥が熱を帯び、燃え上がるような感覚に包まれていく。
もう、止まらない――。