ウォウォ
【エリア】:ハウリング密林
夜風は葉の海を彷徨い、濡れた甘やかな腐香を孕んで、肌を撫でるように囁く。
それは、ただの獲物ではない。
殻と肉が裂け合う瞬間――二重の罠を押し広げる、快楽を伴う痛み。
殻は粗く、濡れ、擦れるたびに艶めいた響きを立てる。
シュルッ…シュルッ…
その一音ごとに、血は熱く、身体は昂ぶっていく。
だが、真に甘美なのは、その奥に潜むもの。
太く、うねり、絡みつき、ゆっくりと、けれども抗えないほど強く。
深く、さらに深く――息を奪い、心までも蕩けるほどに満たしてゆく。
捕らわれた者の声を耳にした者もいるという。
最初は艶めいた吐息。
やがて震える悦楽の叫び。
そして最後には――殻の軋みと肉の容赦ない律動の狭間で――
快楽に溺れ、砕け散るような甘い囁きだけが残る。
禁断の獣。禁断の悦び。
一度触れれば、痕跡を残しては戻れない。
呑み込まれ、愛撫され、永遠に「ハウリング密林」に抱きすくめられるのだ。